コラムCOLUMN

  1. HOME
  2. コラム
  3. 短時間でも患者満足度アップ!患者説明ツールの活用

COLUMNコラム

短時間でも患者満足度アップ!患者説明ツールの活用

「もっと丁寧に説明したいけど、時間がない…」 「患者さんに渡すパンフレット、製薬会社のものしかない…」

こんな風に感じている先生、多いのではないでしょうか。

今回は、診療時間が短くても患者満足度を上げられる「患者説明ツール」についてお話しします。特に、クリニックオリジナルの資料を作ることの大切さと、その作り方をご紹介します。

なぜ、説明資料が必要なのか

診察室での説明は、どうしても時間に限りがあります。先生は丁寧に説明したつもりでも、患者さんは緊張していて、半分も理解できていないかもしれません。

家に帰ってから「あれ、何て言われたっけ?」と不安になる患者さんは、実は多いんです。

そんな時、手元に説明資料があれば、患者さんは家でゆっくり読み返すことができます。ご家族にも見せることができます。これだけで、患者さんの安心感は大きく変わります。

製薬会社のパンフレットだけでは、足りない?

「製薬会社のパンフレット、たくさんあるから大丈夫」

確かに、製薬会社が作るパンフレットは、とてもわかりやすく作られています。イラストも綺麗ですし、情報も正確です。ぜひ活用していただきたいと思います。

でも、それだけでは伝わりきらないものがあるんです。

製薬会社のパンフレットの限界

製薬会社のパンフレットは、一般的な内容を網羅的に説明しています。でも、

  • 先生のクリニックでは、どういう治療方針なのか
  • この患者さんの場合、どういう経過が予想されるのか
  • 先生が特に気をつけてほしいと思っているポイントは何か

こういった「先生ならではの想い」は、載っていません。

クリニックオリジナル資料の温かみ

だからこそ、クリニックオリジナルの説明資料を作ることをおすすめしたいんです。

「うちのクリニックでは、こう考えています」 「私は、こういう治療を大切にしています」 「あなたの症状について、こう思います」

こういったメッセージは、先生オリジナルの資料だからこそ、伝えられるものです。

診療時間が短くても、温かみは伝わる

診察時間が5分しかなくても、オリジナルの資料を渡しながら「これ、読んでおいてくださいね」と一言添えるだけで、患者さんに伝わる温かみが変わります。

「先生が、私のために用意してくれた」 「このクリニックは、ちゃんと説明してくれる」

こういう印象を持ってもらえるんです。

製薬会社のパンフレットを使う場合のコツ

もちろん、すべてをオリジナルで作る必要はありません。製薬会社のパンフレットを活用しながら、ちょっとした工夫をするだけでも、温かみは伝わります。

手書きで書き加える

パンフレットの余白に、手書きでメモを書き加えてください。

「ここ、大事です」と矢印を引くだけでもいいんです。 「○○さんの場合は、これに注意してください」と一言書くだけでもいいんです。

たったそれだけで、「先生が、私のために説明してくれた」という特別感が生まれます。

マーカーや◯をつける

手書きが苦手な先生は、マーカーで線を引いたり、◯をつけたりするだけでも効果的です。

「この部分、読んでおいてくださいね」というメッセージが、視覚的に伝わります。

オリジナル説明資料の作り方

「オリジナルの資料を作りたいけど、何をどう作ればいいかわからない」

そんな先生のために、基本的な作り方をご紹介します。

1. よくある症状から始める

まずは、クリニックでよく診る症状から作り始めましょう。

  • 風邪
  • 胃腸炎
  • 高血圧
  • 糖尿病

すべてを一度に作る必要はありません。一つずつ、少しずつ増やしていけばいいんです。

2. 盛り込む内容

一つの説明資料には、こういった内容を盛り込みます。

病気の簡単な説明 専門用語は使わず、患者さんがわかる言葉で説明します。

その後の経過 「だいたい○日くらいで良くなります」「こういう経過をたどります」など、見通しを示してあげることが大切です。

考えられる治療法 「うちのクリニックでは、こういう治療をします」と、先生の方針を伝えます。

気をつけてほしいこと 「こういう症状が出たら、すぐに連絡してください」など、具体的に伝えます。

日常生活での注意点 「食事はこうしてください」「お風呂は大丈夫です」など、患者さんが迷いそうなことを先回りして答えておきます。

3. シンプルでいい

凝ったデザインは必要ありません。A4用紙1枚に、文字だけでも十分です。

大切なのは、見た目の綺麗さではなく、「先生の言葉で、患者さんに伝わる内容になっているか」です。

4. イラストや図があれば、なお良い

もし可能なら、簡単なイラストや図を入れると、より伝わりやすくなります。

手描きのイラストでも構いません。むしろ、手描きの方が温かみが伝わることもあります。

一度作れば、ずっと使える

オリジナルの説明資料は、一度作ってしまえば、ずっと使えます。

必要に応じて内容を更新することもできますし、患者さんからの質問を元に、どんどん改善していくこともできます。

最初は時間がかかるかもしれませんが、長い目で見れば、診療の効率化にもつながります。

私たちができること

メディカでは、クリニックオリジナルの患者説明資料の作成もお手伝いしています。

先生からお話を伺って、「先生の言葉」で患者さんに伝わる資料を一緒に作っていきます。

  • どんな内容を盛り込めばいいか
  • どんな表現が患者さんに伝わりやすいか
  • どんなレイアウトが見やすいか

こういったことを、医療機関専門だからこそわかる視点でアドバイスできます。

ちょっとおせっかいかもしれませんが、「先生が診たい患者さんと、先生に診てもらいたい患者さんを、しっかりとつなぐ」ためには、こういった細やかなコミュニケーションツールも大切だと思っているんです。

まとめ―説明資料は、先生の想いを伝えるツール

患者説明資料は、単なる情報提供ツールではありません。

先生の想い、クリニックの診療方針、患者さんへの気遣い。こういったものを伝える、大切なコミュニケーションツールです。

診療時間が短くても、オリジナルの資料があれば、先生の温かみは伝わります。

製薬会社のパンフレットを使う場合も、ちょっとした手書きのメモを加えるだけで、特別感が生まれます。

できることから、少しずつ始めてみませんか?


メディカでは、患者説明資料の作成サポートも承っています。「作りたいけど、時間がない」「どう作ればいいかわからない」という先生、ぜひご相談ください。先生の想いを、患者さんに届けるお手伝いをさせていただきます。

前のページに戻る