COLUMNコラム
ホームページに関係する医療広告ガイドラインQ&A
2018年8月に、厚生労働省より医療広告ガイドラインに関するQ&Aが公開されました。
6月の段階で医療広告ガイドラインに関するQ&A(案)として出ていましたが、それが確定しました。
医療広告ガイドラインに関するQ&A – 厚生労働省(平成30年8月発表)
以下、医療機関のホームページに関連しそうなQ&Aをピックアップして掲載いたします。
Q1-1 医療機関の広告をする際に、新聞や雑誌の記事を引用することは、可能でしょうか。(P.3)
A1-1 当該記事等の引用部分に記載された内容が、医療法及び医療広告ガイドラインを遵守した内容であれば、医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用又は掲載することは可能です。Q1-2 医療機関の広告をする際に、新聞や雑誌の記事の引用として、例えば、雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」を、そのまま他の医療機関名も含めて掲載することは可能でしょうか。(P.3)
A1-2 医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用又は掲載した場合、当該記事等の引用部分の記述は、医療法及び医療広告ガイドラインの適用を受けます。
なお、例示の雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」等については、他の医療機関名も含めてそのまま掲載したとしても、雑誌社等が評価した結果は、掲載されていない医療機関よりも優れた旨を示す比較優良広告になることから、原則、広告できません。Q1-7 インターネット上のバナー広告の取り扱いは、法改正に伴って変わったのでしょうか。(P.2)
A1-7 バナー広告に医療機関の名称が記載されているなど特定性がある場合は、広告に該当するため、医療法及び医療広告ガイドラインで認められた広告可能事項に限って、広告可能です。
なお、従前はバナー広告にリンクした医療機関のウェブサイトはバナー広告と一体的に取り扱うこととされていましたが、改正医療法施行後はバナー広告にリンクした医療機関のウェブサイトであっても、リンク先の医療機関のウェブサイトは患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトになりますので、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。Q1-10 広告規制の対象であるウェブサイトについて、特定の人のみが閲覧可能な場合は、広告規制の対象外でしょうか。(P.2)
A1-10 当該医療機関に係る情報取得を希望した者のみ閲覧可能な状態(一般人は閲覧不可)であっても、広告規制の対象です。
ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示する媒体になりますので、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。Q1-11 患者の希望により配布するメールマガジンやパンフレットは、広告規制の対象でしょうか。(P.11)
A1-11 患者の希望であってもメールマガジンやパンフレットは広告として取り扱われるため、広告規制の対象です。
ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示する媒体になりますので、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。Q2-1 「最新の治療法」や「最新の医療機器」などの表現は、広告可能でしょうか。(P.6,7)
A2-1 「最新の治療法」や「最新の医療機器」であることが、医学的、社会的な常識の範囲で、事実と認められるものであれば、必ずしも禁止される表現ではありません。ただし、求められれば内容に係る裏付けとなる根拠を示し、客観的に実証できる必要があります。
登場してから何年までを最新と認めるか等の基準を示すことは困難ですが、より新しい治療法や医療機器が定着したと認められる時点においても、「最新」との表現を使用することは、虚偽広告や誇大広告に該当するおそれがあります。
また、より新しい治療法や医療機器が存在しない場合でも、十数年前のものである場合等、常識的な判断から「最新」との表現が不適切な場合があり、誇大広告等に該当するおそれがあります。Q2-2 「最先端の医療」や「最適の医療」などの表現は、広告可能でしょうか。(P.7)
A2-2 「最先端」や「最適」の表現は、誇大広告に該当するため、広告できません。Q2-3 「最良の医療」や「最上の医療」などの表現は、広告可能でしょうか。(P.7)
A2-3 「最良」や「最上」の表現は、他の病院又は診療所と比較して優良である旨の比較優良広告に該当するため、広告できません。Q2-4 美容医療等の自由診療において、「プチ~」といった短時間で行える、身体への負担が比較的少ない、費用も手軽である、といったような印象を与える表現は、広告可能でしょうか。(P.7)
A2-4 提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張した表現や、誤認させるおそれがある表現は、誇大広告に該当する可能性があります。Q2-6 「糖尿病外来」、「認知症外来」等の専門外来を設置している旨は、広告可能でしょうか。(P.13)
A2-6 「○○外来」との表記については、広告が可能な診療科名と誤認を与える事項であり、広告できません。
ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。Q2-8 手術前のみ又は手術後のみの写真を用いて広告することは、可能でしょうか。(P.9)
A2-8 手術の前後の写真と同様、手術前のみ又は手術後のみの写真についても、患者等を誤認させるおそれがある治療効果に関する表現に該当するため、広告できません。Q2-15 医薬品、医療機器の販売名を用いた治療については、広告可能でしょうか。(P.24,26)
A2-15 平成29年9月29日薬生発第4号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知の別紙「医薬品等適正広告基準」により、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないものとされていることに鑑み、医薬品又は医療機器の販売名については、広告できません。
ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。Q2-17 治療効果に関する内容について、ウェブサイトでは、広告可能でしょうか。(P.25)
A2-17 治療の効果に関する内容については、広告可能事項ではないため、広告できません。
なお、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能ですが、求められれば裏付けとなる根拠を示し、客観的に実証できる必要があります。Q3-18 歯科診療における「審美治療」は、広告可能でしょうか。(P.24)
A3-18 「審美治療」という表現で行われる医療行為については、様々な治療の方法が含まれ、そのいずれの治療を提供するのかという点が明確ではなく、誤認を与える可能性があると考えられ、広告できません。
なお、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。
また、個々の治療の方法については、例えば、「ホワイトニング」について、医薬品医療機器等法上の承認を得ている医薬品を使用し、自由診療である旨及び標準的な費用を記載する場合には、広告可能です(広告告示第2条第1号から第5号)。