COLUMNコラム
新規患者と既存患者、優先すべきはどちら?
「新規患者の獲得」と「既存患者の維持」、どちらにより力を入れるべきか、悩まれたことはありませんか?
結論から申し上げます。保険診療中心のクリニックでは、既存患者さんの維持を優先すべきです。
「1:5の法則」が示す真実
マーケティングの世界では「1:5の法則」という原則があります。新規顧客を1人獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるという法則です。
クリニック経営でも同じです。
新規患者さんの獲得には、広告費、初診対応の時間、信頼関係構築のコストがかかります。
一方、既存患者さんとの関係維持は、日々の丁寧な診療とコミュニケーションが中心。コスト効率は圧倒的に異なります。
「5:25の法則」は保険診療では限定的
もう一つ「5:25の法則」という原則があります。
顧客離反率を5%改善すれば利益が25%改善するというものです。
ただし、これは保険診療中心のクリニックではあまり効果的ではありません。
なぜなら、診療報酬が固定されており、患者単価を大きく向上させることが難しいからです。
実践すべきは「ファンを減らさない」施策
では何をすべきか?答えは「ファンを減らさない」ことです。
増やすことより、守ることを優先する。既存患者さんが離れていく理由を徹底的に潰していく。待ち時間、スタッフの対応、説明の丁寧さ、予約の取りやすさ。これらの改善に注力することが、最も費用対効果の高い経営戦略なのです。
特に慢性疾患を扱う内科や、かかりつけ医としての役割が強い診療科では、この原則がより重要になります。
もちろん新規患者さんも大切です。しかし経営リソースの配分は、既存患者維持70%、新規患者獲得30%を目安に考えてみてください。守りながら成長する、持続可能な経営が実現できるはずです。




