COLUMNコラム
ネットの口コミと接遇
最近はネットでの口コミが盛んです。
Googleが2016年頃から「Google Map」に力を入れ始めたこともあり、
この2年ほどで、「Google Mapの口コミ」が爆発的に増えてきました。
Google Mapに投稿された悪い口コミは、消せる?
これまであった口コミサイトは、事業者さんが運営しているものがほとんど。
クリニックに悪い影響がありそうな誹謗中傷に関しては、
メール等で削除要請を出せば、たいていのものは削除していただけました。
しかし、Googleは違います。
悪い口コミを投稿されても、ほぼ消すことはできません。
「明らかに同地域同名医院さまの間違い口コミ」
「同じ患者さんが複数アカウントで、繰り返し投稿している」
「精神疾患をお持ちの患者さんの思い込み」
このような状況で、私も院長先生から相談され、弁護士さんなどにも相談して、
Googleへの削除申請をあの手この手で行いましたが、
結局、口コミを削除してもらうことはできませんでした。
Google Mapへの口コミ対策をどうする?
「Googleの口コミはトイレの落書きと同じ。放っておきましょう」
実は私も最初の頃は、そんな風にお伝えしていました。
しかし、この数年で事情が様変わりしています。
スマホで、Google Mapのアプリを使って、
ナビゲーションしてもらうことが当たり前になりました。
検索したときに、口コミ評価が必ず表示されます。
それを無視する/放っておくことで、クリニックへの影響が大きくなってきたのです。
サクラを使う
パッと思いつくのは、別アカウントを作って、良い評価を入れればいいじゃないか…というものでしょうか。
しかし、Googleは、
複数アカウントを持っていること、
投稿者の現在位置と滞在時間、来院頻度(GPS)などを把握しているので、
評価への反映度が低くなる可能性が高いです。
信頼関係ができている患者さんにお願いする
先生との信頼関係が強い患者さんがいらっしゃると思います。
その方に「こんな風に書かれちゃって困っているんです。もしよかったら、○○さんが感じていることも、口コミ投稿していただけませんか?とお願いしてみるとよいかもしれません。
最近では出入りの業者さんに依頼されて、投稿していただいている医院さんもあります。
確かに☆は増えますが、見るからに業者さんというアカウントに
クリニックへの良い評価を投稿してもらっているのを見た患者さんは
どう感じるかな…と思うと、少し微妙な気がします。
「Googleの口コミ消します」の営業電話には注意
まだそんな営業電話が来た、被害にあったという話は聞きませんが、
十数年、Webに携わっている経験から、そろそろ
「Googleの口コミを消しましょう」
「代わりに☆5の評価をいくつか投稿しましょう」
という営業電話が始まってもおかしくないと思います。
「SEO対策しませんか?」
「SEOじゃなくてMEO(Google Map対策)の時代です!」
「逆SEO対策をしましょう」
など、これまでもいろいろな営業電話が来ています。
心配になってしまう院長先生も多いと思いますが、この手の営業電話で効果があったという話はほぼ聞きませんので、ご注意ください。
Googleは「口コミへの返信」ができます
宿泊予約サイトでは一般化している「口コミに対する施設からの返信」が、Googleでもできます。
Googleマイビジネスというものの中に「口コミに返信」があり、
それを使うとクリニックからの返信として、投稿できます。
ネガティブな投稿に対しては、誠実丁寧な返答をしましょう。
わざわざ返信するなんて…と思われると思います。お気持ちはよくわかります。
でも、ぐっと感情的になってしまいそうな気持ちを抑えて返信していけば、
「この悪い口コミの信頼度は低いな」
「患者の意見に誠実な医院だな」
という印象を与えることができます。
この時大事なのは、返信するのであれば悪い口コミだけでなくよい口コミに対しても、マメに返信していくことです。
いちばん大切なのは、クリニック内の接遇対応
結局、Googleへの悪い口コミ投稿に関しては、特別な対策がないのが現実です。
ただ、クリニックで対応していると、「あの患者さん、気分を害されてしまったな」ということがわかるときがあると思います。
そういう場合、患者さんがクリニックを出る前に、院長先生やスタッフが「今日は不快な思いをさせてしまいまして、申し訳ありませんでした」と言うようにすると、腹いせの投稿は減らせると思います。
医療機関がここまでしなければいけないのか…と思う気持ちもありますが、
今まで以上に接遇が大事になってくる時代がやってきたかな、と思います。
スタッフとの関係も大切に
口コミは、患者さんだけが投稿するものではありません。
クリニックとのトラブルを抱えて退職したスタッフさんが、腹いせに投稿することもあります。
患者さんよりも内情を知っている分、信憑性の高そうな投稿ができるのでタチが悪いです。
CSのためには、ESからとも言われます。
スタッフさんとの関係も大切にしていきましょう。